胃潰瘍(かいよう)は、胃から分泌される胃酸と、胃酸から胃壁を守る粘液の分泌とのバランスが崩れ、胃酸によって胃壁が損傷し、痛みを感じたり、場合によっては出血を起こす病気です。
急性は強い薬の服用や強いストレスによって急激に発症するもので、慢性は胃液中の塩酸やペプシンという消化酵素と胃の内面を守っている胃粘膜成分のバランスが崩れることによって起こります。
胃炎や胃潰瘍(かいよう)は、ストレスが原因という患者さんは少なくないようです。
近年では女性や若者の発症率も高いようなので注意が必要です。
ピロリ菌は人間の胃の中に住んでいる細菌です。 口から入って感染する細菌で、胃に様々な障害を与えると言われております。 ピロリ菌には4~8本の鞭毛(べんもう)があり、これを使って胃粘膜に侵入・潜伏します。
そして、胃を守るための粘液層こそがピロリ菌の住処となります。
またピロリ菌は、胃酸に耐え抜くための酵素「ウレアーゼ」を持っていて、これが胃粘液の成分である尿素を分解し、アンモニアとなり自分の周りを覆い、胃酸との中性化を図ることによって、強酸性の胃の中で生き続けてます。
胃にできる悪性腫瘍(しゅよう)のうち、胃の内腔表面をおおう粘膜から生じるものを胃ガンと呼びます。進行とともに胃壁深くガン組織が浸透していき、やがてリンパ節、肝、腹膜などに転移します。
そこから全身に広がり最終的に患者さんの生命を奪います。原因についてはまだ解明されていません。その発生数は年々減少していますが、依然として日本で最も多いガンです。
胃ガン検診や内視鏡検査の普及により、早期に発見されるものが増えるとともに、内視鏡的治療や外科手術の技術的進歩により、その死亡率は年々低下しています。
大腸ポリープとは内壁にできた、きのこ状やいぼ状の腫瘍(しゅよう)で、大腸の粘膜にできたポリープのことです。
そのまま放置しておいても大丈夫な良性のものや、ガンになる恐ろしいものなど、いくつかの種類がありますが、いずれも小さいうちは自覚症状がほとんどありません。
大腸ポリープが発生しやすい箇所はS状結腸と直腸ですが、最近では上行結腸、横行結腸、下行結腸、盲腸での発生も増えているという報告があります。
大腸ガンになる前もしくは早期に発見できれば、治りやすいガンのひとつなので、ポリープの段階で発見できれば、 早期治療が可能です。
胃酸過多 、下部食道活約筋の機能低下 、食道裂孔ヘルニア※1の発生 、食道の蠕動運動(ぜんどううんどう)※2の低下 などの要因が重なり、胃の中にたくさん増えた強い酸の胃液が食道に逆流し食道の粘膜を攻撃し、その粘膜が傷つき、食道粘膜に炎症や潰瘍(かいよう)が出来てしまいます。
これらが慢性化すれば食道ガンの原因ともなると言われるだけに放置できない。これが、『逆流性食道炎』という病気です。
食生活の欧米化、肥満、高齢、ストレス増などが原因となり、最近、日本人に逆流性食道炎が増えています。
※1 食道裂孔ヘルニアは横隔膜(おうかくまく)ヘルニアの一種です。
※2 蠕動運動(ぜんどううんどう)とは、腸の輪状筋がミミズなどの虫のように動くことです。
慢性肝炎は、肝炎ウイルスが肝臓に持続的に感染することによって起こる病気です。日本ではC型肝炎ウイルスによるものが圧倒的に多く次にB型肝炎です。C型肝炎は急性肝炎のうち60~80%の人が慢性肝炎に進み、感染して約30~40年後に肝がんになる可能性があります。
B型肝炎は成人して感染した場合、急性肝炎を起こしても慢性化することはありませんが、母子感染の子供の場合には、保菌者となって何年もたってから慢性肝炎を起こし、肝がんが発症する可能性があります。
慢性肝炎に類似した病気に、中年女性に多い自己免疫性肝炎や原発性胆汁性肝硬変があります。
アルコールの多飲による肝障害も多くなっています。
こうした原因で起こる各種の肝障害の最終像が肝硬変ということになります。
その名の通り肝臓に脂肪が蓄積される状態です。特に肝細胞の中に脂肪が蓄積されます。
肝臓は吸収された栄養分などから中性脂肪を作り、その一部を細胞内に蓄えていますが、様々な原因によって肝細胞内に処理しきれなくなった脂肪が蓄積されると脂肪肝になります。
脂肪肝自体は比較的良性な病気ですが、アルコールが原因となっている場合は、慢性肝炎から肝硬変症まで進む事もあります。
脂肪肝が起こるような状態は高脂血症、糖尿病などの生活習慣病に近づいたということで、心筋梗塞、動脈硬化などを引き起こす原因となります。
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